2014年8月8日金曜日

5-1 販売知識①

①マーチャンダイジングの目的

商品を仕入れる際、営業方針や販売計画などと連動しながら、全体的な視点で仕入れ活動を統制しなければならないです。これをマーチャンダイジングといいます。
アメリカマーケティング協会(AMA)では以下のように定義しています。
「企業のマーケティング目標を実現するために、最も有効な場所、時期、価格および数量で、特定の商品またはサービスを市場に提供する際に必要となる計画」

マーチャンダイジングの目的は
1.適切な品揃えにより、顧客のニーズを充足すること
2.商品在庫への効率的な資金投下により適正な利潤を得ること
この二つの目的のバランスがとれた在庫の状態を「均衡在庫」といいます。
「均衡在庫を実現して、効率的な流通を行うこと」が目的ともいえます。

②マーチャンダイジングの要素を表す言葉 5R

「適切な商品 Right goods」を
「適切な場所 Right place」で
「適切な時期 Right time」に
「適切な価格 Right price」 で
「適切な数量 Right quantity」を
市場に提供すること

③商品の分類の重要性

顧客ニーズをとらえる手段として、商品の本質について理解と商品の分類の知識が問われます。
「商品」とは目に見える「モノ」だけを指すのではなく、むしろその商品を使うことによって得られる「ベネフィット(便益・効用)」が商品の本質と捉えられるべきです。
商品の分類は商品構成を組み立てる基準作りです。
言い換えれば顧客ニーズをとらえる「モノサシ」となります。
例えば、シンプルなプラチナリングを「素材分類」としてプラチナのチェーンやイアリングと並べるよりも、ホワイトデーのプレゼントに最適なペアリングとしての「用途分類」でアピールする方がよりベネフィットが明解になります。
顧客ニーズに合わせた商品分類を考え、時流に応じて柔軟な品揃えの発想ができるようにすることが大切です。

④モデル・ストック・プランとは

商品の構成を考えることは、顧客ニーズの充足する商品計画の中核となる部分です。
これを商品ミックス方法と言います。
モデル・ストック・プランとは買回品を対象とする商品ミックス法です。
買回品は、総じて価格が最寄品より高く、非消耗品が多いです。
購入頻度は低く、購買は非反復的、非定期的です。ジュエリーの商品ミックス方法として適していると言われています。
このプランでは品切れよりも在庫過剰を防止することに主眼を置かれます。
また、顧客が比較選択して買い物をたのしめるような品目奥行きが要求されます。
商品ラインごとに販売予測を行い、これに基づいて商品ライン別に在庫予算の総額が設定されます。
次にこの予算を商品ラインを細分化しながら配分します。
配分方法は、まず価格帯別の配分、次に価格帯での素材やデザインの分類による配分です。
注意すべき点は以下の通りです。
1.基本的には同一商品の反復購入はないので、在庫の補充の際は同一の商品ラインの中で
品目の新陳代謝を心がけ、新鮮さを保つ。
2.価格帯が広いので、プライス・ゾーニングによって商品ラインごとの価格帯別の在庫配分を計画する。
3.品目数が多く、奥行きのある品揃えが有利となる。
反面、過剰在庫にならない注意が必要。
4.商品分類では商品ラインを顧客ニーズに合わせて動態的にとらえるべき。
シーズンごとに商品を見直し、変化に対応する必要がある。
5.過剰在庫・商品の鮮度落ちにならないために、一定在庫期間を経ても販売できない品目は
早めにマークダウンしてデッド・ストックになるのを避けなければならない。

⑤プライス・ゾーニングとプライス・ランニング

商品ラインの価格帯を大きく高価格、中価格、低下価格の3つに分けて商品ミックスを行うことをプライス・ゾーニングといいます。
例えば、K18のダイヤ・ファッション・リングについて、低価格帯を3万円以下、中価格帯を10万円前後、高価格帯を20万円以上などと価格帯でくくり、それぞれの価格帯の中でさらに細分化した価格のポイントを置く。
たとえば低価格帯では9,800円 19,800円 29,800円などです。
これらを価格線(プライス・ライン)と呼びます。
ジュエリーは価格の妥当性が消費者に分かりにくいため、価格線を明確にして集中化した方が、
消費者にとって、商品アイテムの比較選択が容易になります。
このようなプライス・ランニングを行わなかったとしても、一定の価格線に販売は集中します。

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