2014年8月5日火曜日

3-3 貴金属のテクスチャーと石留め

①貴金属テクスチャーの表現

テクスチャーとはききんぞくへの表面処理、またはそれによって得られる貴金属の質感のことをいいます。

1.ワックス段階で施すテクスチャー
ワックスは軟らかいためテクスチャーをつけるのが簡単です。
ハードワックスの時は、主に彫刻刀やスパチュラーなど鋭利な工具を用い、
ソフトワックスの時は、けがきや針、竹串など多様なものが使えます。

2.貴金属段階で施すテクスチャー
貴金属を鋳造してからテクスチャーを付けることもあります。
また直接貴金属に加工してジュエリーを作る場合は、貴金属の上にテクスチャーをつけることになります。
代表的なものに金剛砂を用いた「梨地」やこれを機械化した「ホーニング」があります。

3.ダイレクトキャスティングによるテクスチャー
紙や布地、レース地、木の葉などを溶かしたワックスに浸し、それ自体を原型として貴金属に置き換える方法です。


市販で見られるテクスチャー表現は以下の通りです。
1.梨地 マット
貴金属の表面に微細な傷をまんべんなくつけて曇らせること

2.すじ目、ヘアーライン、サティーナ(サテン仕上げ)
細かな一定方向に線が入る仕上げのことです。

3.つち目、ハンマー
槌で打った後の模様をつち目またはハンマー仕上げと言います。

4.引き目
微妙に変化する筋が並んでいる「みつろう」による筋状テクスチャーのことです。
「みつろう」は日本古来のワックスで、手で温めながら引いてできる筋で、これを鋳造して金属に置き換えます。

5.溶かし
金属が溶けた感じに見えます

6.木肌、岩肌
がさがさとした深めの不均等な荒しを木肌とか岩肌と呼んでいます。

7.皮革
蛇、ワニなどの革模様をワックスに施したテクスチャー

8.粒金
表面に小粒の地金の玉をつけて多彩な模様にしたテクスチャー
エキゾチックな雰囲気となります。

②「彫り留め」と「爪留め」の違い

「彫り留め」
たがねを使って貴金属面に数ヶ所掘り起こし、その部分を爪としてメレ・ダイヤ等を留めます。

「爪留め」
爪と呼ばれる小さな棒状の貴金属地金を、石留めやっとこでたおして宝石を固定します。

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