①合金の状態図
状態図とは例えば組成(合金の割合)と湿度の関係で、液体状態になるか、固体状態ではどのような相(結晶)ができるかなどを示した図です。適切な加工方法を判断する材料となります。
②金-銅合金の加工
高温域では全ての割合で固溶体(広い成分範囲にわたって同じ結晶構造を持つ固体状態)を作るが、中温域ではCuAuやCu3Au等の金属化合物(硬くてもろい性質をもつ)ができます。赤金やピンクゴールドの加工を難しくしているのがこの金属化合物の生成のためです。
金属化合物が生成しないように、熱処理する場合は急冷することが必要となり、金750‰、銅250‰の赤金を700℃から急冷したものは組織も均一な固溶体になります。
③ISO規格「ジュエリー用貴金属の純度」
金合金:375 585 750 916プラチナ合金:850 900 950
パラジウム合金:500 950
銀合金:800 (835) 925
④貴金属合金の非破壊鑑定
1.試金石方法(タッチストーン法)
試金石に鑑定する合金をこすりつけ、その条痕(粉末の時の色)の「色合い」や「酸との反応」を観察し、その状況を標準試料と比較しながら品位を判定する方法です。2.蛍光X線分析方法
照射されたX線により励起された原子が、元素固有の特性X線すなわち蛍光X線を放出する現象を利用し、試料に含まれる元素の種類や含有率を測定する方法です。めっきされた試料では誤った品位差を得るおそれもあります。
⑤金現物価格の指標となる市場
ロンドン、ニューヨーク、東京、香港、チューリッヒは5大市場と呼ばれています。金現物価格はロンドンにて担当の貴金属商がオンラインを利用し貴金属の売買価格を決めています。
その価格は業者間の指標として働き、ニューヨーク市場に引き継がれます。
NY市場は先物取引が主体の市場で、その時点から数カ月先の金価格を予想した取引が行われています。次に開く主要都市である東京は現物、先物両者が混合した市場となっています。
この後、香港、チューリッヒ、ロンドンへと取引は流れていきます。
⑥金取引に使用される重量単位
取引に使われる重量単位はトロイオンスでtoz(1toz=31.1035g)と表記されます。
⑦産金コスト
1990年代は1オンス(1oz=28.3495)あたり200ドル前後であったが、近年ではこれに加えて、鉱山労働者の待遇、環境保全、インフラコストなどが加わり増加傾向にあります。これに対比した金価格がコストを上回るかでこうざんの稼働に影響があったが、2000年以降国際的な金価格の急増は生産コストを大幅に超える状況が続き、経営的には余裕が出てきています。
⑧世界のプラチナ供給量
2010年の世界供給量を金、プラチナで比較してみると、金が4,334トン、プラチナは194トンとプラチナは金の4.5%に過ぎません。この市場の小ささが需要動向や投資資金の動きに敏感に反応し、価格変動は激しいです。
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