2014年7月24日木曜日

2-1 宝石の基礎知識①

宝石には鉱物と有機物があり、その大部分は鉱物です。
鉱物には「結晶」と「非結晶」があり、「単結晶」である場合と「多結晶」である場合があります。
また、同一の化学式を持ち、化粧構造が異なるものを「同質異形」polymorphismと呼びます。
ダイヤモンドとグラファイトがその例です。
 宝石には天然に存在するものもありますが、人間が天然と同一の化学式を持つ宝石を作ることができます。
これを「合成石」といいます。
全然別の化学式で似た色が外観をもつ宝石は「模造石」または「類似石」と呼びます。

①結晶系

結晶には「対称性」という性質があります。対象の要素は7種類に分類でき、これを「結晶系」crystal systemと呼びます。
対称の要素を多くもつものを「対称性が高い」と言います。
○回回転軸とは360度軸の周りを回転させる内、○回初めの状態と区別がつかない状態となるかということです。

・三斜晶系

対称要素を全く持たないが、対称心のみのもの
複屈折性 二軸性(偏光の屈折率が同じになる光の方向(光軸)が2方向ある)

三斜晶

 

・単斜晶系

1方向に2回回転軸を持つか、鏡映面(対称面)を1つもつもの
複屈折性 二軸性(偏光の屈折率が同じになる光の方向(光軸)が2方向ある)
スポデューメン オルソクレース
単斜晶, 単純単斜晶, 底心

スポデューメン

 

・斜方晶系

互いに直行する2回回転軸をもつが、3回以上の対称はない
複屈折性 二軸性(偏光の屈折率が同じになる光の方向(光軸)が2方向ある)
トパーズ
斜方晶, 単純斜方晶, 底心斜方晶, 体心斜方晶, 面心

トパーズ

 

・正方晶系

3回以上の対称としては、1本の4回回転軸をもつ
複屈折性 一軸性(対称性が高く偏光の屈折率が同じになる光の方向(光軸)が1方向ある)
ジルコン
正方晶, 単純正方晶, 体心

ジルコン

 

・三方晶系

3回以上の対称としては、1本の3回回転軸をもつ
複屈折性 二軸性(偏光の屈折率が同じになる光の方向(光軸)が2方向ある)
カルサイト
方解石

・六方晶系

3回以上の対称としては、1本の6回回転軸をもつ
複屈折性 二軸性(偏光の屈折率が同じになる光の方向(光軸)が2方向ある)
アバタイト
六方晶

・立方(等軸)晶系

3回回転軸を4本持つ
単屈折性(気体や液体、非結晶固体のように光がどの方向にも同じ速度で進む性質)
ダイヤモンド スファレライト フルオライト
立方晶, 単純立方晶, 体心立方晶, 面心
※スファレライト
蛍石の結晶※フルオライト


※画像はウィキペディアより

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