2014年6月26日木曜日

1-3 日本と海外のジュエリー市場

1-3 日本と海外のジュエリー市場

①ジュエリーの小売業で生じている構造的変化

大規模店は進出し売上高は増加傾向にあるが、小規模店の衰退傾向にあります。
小売業者間で企業格差が拡大しています。

②ジュエリーの卸売業で生じている構造的変化

卸売業は小売業に比べ市場規模が大きく減少しています。
(※平成6年-9年の3年間で36%売上高が減少)
減少した要因は二つあります。
一つは景気後退期における在庫調整(小売店の仕入れ調整)。
他は、流通の短絡化という構造変化です。

**流通の短絡化**
日本の流通経路は海外に比べ、多段階で複雑であると言われています。
このことがジュエリーの価格の不透明性につながると言われてきました。
しかし近年、流通効率が改善され、さらにバブル崩壊により価格競争が激化し
より安い小売価格でジュエリーを消費者へ提供できるようになりました。
また、メーカーが製造と並行して直接小売販売を行う垂直統合型の業態も現れました。

③最近の消費者の購買行動の変化

1.商品購入の選択基準
・バブル全盛期:高価格でも高品質志向
・バブル崩壊後:低品質でも低価格志向
・近年      :品質と価格のバランス重視

より賢くお買いものする時代です^^

2.買い物方法
複数の店舗で商品を比較したうえで購入する「比較購買」を行う傾向が強くなってきている。
時間と労力を惜しまず、自分の満足できる商品を探す消費者が増加しています。

3.年齢層ごとのニーズ
・20代、30代:
 自分のライフスタイルや価値観を満たす商品を嗜好する傾向が強いです。
 例えば「恋人とペアでジュエリーを持ちたい」といった「気持ちの表現」の切り口で
 商品を揃えディスプレイする必要があります。
・40代以上:
 伝統的・専門的な品ぞろえを望む傾向が強まります。
 宝石の輝き、色合いなどの伝統的な価値を重視する顧客層は、
 販売員の専門知識を重視することが予想されます。

④消費者や市場環境の変化に対する方策とは?

・自店の顧客層や立地条件の特性を明確にした上で、顧客ニーズを捉えること。
・自店の強みや特色を見極めて、アイデンティティを確立し、他店との差別化を行い、
 独自の付加価値を提供すること。

・・・具体的には、
☆情報化の推進!
 POSシステムや配送システムにより、在庫管理・販売管理はもちろん、
顧客情報を瞬時に検索することで、コーディネート販売を効率よく行うことができます。

☆卸売業者からのリテール・サポート
卸売業者が持つ、幅広い情報(販促活動や催事企画、市場動向など)を基に、
「広告・販促の企画および実施支援」や「従業員教育支援」「消費者調査支援」が可能であり、
小売業者より望まれている。

⑤日本と欧米のジュエリーの消費市場の違い

・欧米
ジュエリーに関して長い歴史を持っており、ジュエリーが生活文化の中に広く根付いており、
幼少期から身に付ける習慣もあるため、商品選択にも自分自身の価値基準を持っています。
また、ジュエリーは携行できる資産としての役割も果たしてきたため、
再販市場が存在しており、個人が手持ちのジュエリーを再販できます。
このことも、消費者の選択眼を養う要因となっています。

・日本
歴史的に長い間ジュエリーを身に付ける習慣がなかったこと、
ジュエリーの大衆化が戦後わずか30年余りに期間に急速に発展した経緯から、
ジュエリーに関する消費者の蓄積が欧米に比べて少ないです。
ようやく近年、消費者は価値と価格のバランスを重視する段階に達し、
ジュエリーに対して自分自身の価値基準を持ち始めています。

⑥日本と欧米のジュエリー流通システムの違い

日本と比べ、流通構造は短絡化・効率化が進んでいます。
海外メーカーからの直接的な売り込みやメーカー販売代理人を通しての取引も多いためです。
また広い国土をカバーするため、通信販売などの無店舗販売が発展しており、
流通経路の種類は多様でかつ流通段階は短いです。

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